生成AIの進化により、多くの企業が翻訳業務にAIを活用するようになりました。以前は中国語翻訳会社へ依頼していた業務も、社内でChatGPTやGeminiなど、各種AI翻訳ツールで下訳を作成し、その結果を利用するケースが増えています。
AI翻訳は短時間で大量の文章を処理できるため、業務効率化に大きく貢献します。しかし一方で、「AI翻訳ができること」と「そのまま公開できること」は別問題です。
実際に当社へご相談いただく案件でも、
• AIで中国語翻訳したが品質に不安がある
• 台湾向けとして自然な表現か確認したい
• 社内でAI翻訳したが誤訳がないかチェックしてほしい
といったご相談が増えています。このブログでは、AIで翻訳した文書を公開できる品質にする方法をご紹介いたします。
目次
1. AI翻訳は「理解できる文章」を作るのが得意
現在の生成AIは非常に高性能です。
数年前の機械翻訳と比べると、文章の流れも自然になり、意味もかなり正確に訳せるようになりました。社内資料や情報共有資料であれば、AI翻訳だけでも十分に内容を把握できる場合があります。
しかし、企業のWebサイトや製品カタログ、会社案内、契約書など、対外的に公開する文書となると話は別です。
中国語翻訳に求められるのは、「何となく意味が分かる」ことではなく、「必要な情報を正しく伝えること」だからです。
2. 見落とされがちな「ハルシネーション」のリスク
近年の生成AIで特に注意したいのが、ハルシネーション(Hallucination)です。
ハルシネーションとは、AIが原文に書かれていない内容を推測し、もっともらしく補完してしまう現象を指します。いくつか、ハルシネーションの例をご紹介いたします。
原文(中文):本產品不具備防水功能。(本製品は防水仕様ではありません)
AI 訳(日文):本製品は、日常生活における軽い水濡れに耐えられる仕様です。
日本語の文章としては自然ですが、「軽い水漏れに耐えられる仕様」という情報は、原文には存在しません。
原文(中文):高品質設計,經久耐用。(高品質、高い耐久性)
AI 訳(日文):業界最高水準の耐久性能を実現しました。
美しい広告コピーに仕上がっていますが、「業界最高水準」という情報は原文になく、AIが勝手に表現を強めてしまった例です。
製品カタログや技術資料、契約書、プレスリリースなどでは、こうした誤った情報は法的リスクにもつながる可能性があります。AI翻訳を使用するときは、誤訳だけでなく、こうしたハルシネーションにも注意が必要なのです。
3. 人間の判断が欠かせない理由
中国語は日本語と同じ漢字文化圏に属しているため、一見するとAI翻訳との相性が良いように思われます。
しかし実際には、中国語翻訳には多くの判断が必要です。
例えば、
• 台湾向け繁体字と中国向け簡体字の表現やニュアンスの違い
• 敬語や主語がない日本語特有の文法理解
• UIやシステムにおける文脈や操作の前後関係
など、単純な機械処理だけでは対応しきれません。なんとか意味が通じたとしても、現地の読者やユーザーに違和感を与えたり、企業の信頼性を損ねたりする可能性があります。
4. ポストエディットとは?
ポストエディット(Post Editing)とは、AI翻訳の結果を専門の中国語翻訳者が確認し、修正、編集する作業です。単なる誤字脱字の修正ではなく、当社では人手翻訳(人力翻訳)と同じ程度に仕上がるように、次のような観点で品質を確認しています。
(1) 原文との整合性確認
原文の意味が正しく反映されているか、誤訳や訳漏れはないかを確認します。
(2) ハルシネーションの排除
AIが勝手に補足した内容や誤った推測が含まれていないかを確認します。
(3) 用語統一
製品名、サービス名、専門用語、固有名詞などを統一します。
(4) 台湾向けローカライズ
台湾で自然に受け入れられる表現へ調整します。
(5) 読みやすさの改善
直訳調の文章を自然な中国語へ整えます。
(6) 品質検査
誤植、英数字ミス、固有名詞の誤りなどを中国語翻訳ツールを使ってチェックします。
AIのスピードと、人間の専門知識。その両方を活かして、実務で使える品質へ仕上げるのがポストエディットです。
5. 当社のポストエディットサービス
当社は中国語翻訳専門会社として、AI翻訳後のポストエディットサービスをご提供しています。
対応言語
• 日本語 ⇔ 中国語繁体字
• 日本語 ⇔ 中国語簡体字
• 英語 ⇔ 中国語繁体字
• 英語 ⇔ 中国語簡体字
対応分野
• 企業Webサイト
• 会社案内
• 製品カタログ
• システム・UI
• 技術文書
• 契約書
• ゲームローカライズ
単なるネイティブチェックではなく、
「台湾の読者に自然に伝わるか」
「企業ブランドにふさわしい表現か」
「原文にない内容が混入していないか」
という観点から、中国語専門翻訳者が丁寧に確認します。
6. AI翻訳はゴールではなくスタート地点
生成AIの進化によって、翻訳の作業方法は大きく変わりました。今後、AI翻訳を利用する企業はさらに増えていくでしょう。
しかし、AI翻訳の出力結果は完成品ではありません。翻訳に求められるのは、美しい文章を書くことではなく、原文の内容を正確に伝えることです。
AIは時として、原文以上に上手な文章を作りますが、それが事実に基づいているとは限りません。
だからこそ、最終的には人間の専門知識による確認が欠かせないのです。
「AIで中国語翻訳したが、このまま公開してよいか不安」
「台湾向けとして自然な表現か確認したい」
「中国語ネイティブによる品質チェックを依頼したい」
そのような際は、ぜひ当社へご相談ください。
AIのスピードと、中国語翻訳のプロによる品質管理。当社が、AI翻訳を安心して公開できる中国語へと仕上げます。
中国語のAI翻訳のことなら、当社へお気軽にご相談ください。
