今回は、弊社の日本人マネージャーMが、台湾に来たばかりのころに体験した、ちょっと懐かしいエピソードからご紹介します。
目次
1.たった三文字で伝える商品イメージ
もう十年以上前の話になりますが、当時、台湾のスーパーである商品を見つけて、「これはうまい!」と感動したことがありました。
日本でもおなじみ、花王の住宅用洗剤「マジックリン」です。
台湾での商品名は、「魔術靈(mó shù líng)」。
「マジックリン」と「魔術靈」。音がどことなく似ています。でも、私が感動したのはそれだけではありません。
「マジック(Magic)」の「魔法」というイメージを「魔術」で表現し、さらに「靈」には、中国語で「よく効く」「効果がある」という意味があります。
つまり、たった3文字で「魔法のようによく効く洗剤」という商品イメージまで伝えているのです。
当時、中国語を勉強していた私は、「商品名って、こんなふうに翻訳できるんだ!」と感動したことを今でも覚えています。
商品名のローカライズは、単に意味を訳すだけではありません。音、意味、商品の特徴、そして現地の消費者が受ける印象まで考えて「名前」をつくります。
ほかにも、面白い例を見てみましょう。
2.「アンメルツ」は、心地よさを
小林製薬の「アンメルツ」は、台湾では「安摩樂(ān mó lè)」。
元の音を感じさせながら、「安」「摩」「樂」というポジティブな印象の漢字が並びます。「安摩」は発音から「マッサージ」が容易に連想でき、「樂」の「楽になる」「心地よい」という意味合いから、肩凝りなどに効果的というイメージが感じられ、商品の特徴ともよく合っています。
さらに興味深いのは、同じアンメルツでも、中国では「樂」ではなく「露」という漢字を使った「安美露(ān měi lù)」という名前になっていることです。
同じ商品でも、地域によって使われる名前が異なることがあります。
単に「中国語にする」のではなく、「どの中国語市場に届けるのか」を考える。これもローカライズの大切なポイントです。
3. 「東レ」の「レ」は?
企業名にも面白い例があります。
日本の素材メーカー「東レ」は、中国語では「東麗(dōng lì)」。
「東」はそのままで、「レ」に近い音に「麗」という漢字が使われています。
中国語の「麗」には、美しい、華やかといったポジティブなイメージがあります。
東レといえば、繊維をはじめとする素材メーカー。繊維が布になり、衣服になっていくことを考えると、中国語を読む人が「麗」の文字から感じる「美しさ」は、どこかその世界とも自然につながって見えます。
もちろん、これは「東麗」という名称の命名理由を説明するものではありません。ただ、中国語を読む人にとって、「麗」が心地よくポジティブな印象を持つ漢字であることは確かです。
中国語には、同じ、あるいは似た音を持つ漢字がたくさんあります。だからこそ、どの漢字を選ぶかもネーミングの一部なのです。
4. 商品名は「訳す」だけではない
「魔術靈」「安摩樂」「東麗」。
どれも、元の日本語をそのまま中国語に置き換えたものではありません。
音 × 意味 × 商品特性 × 現地で受けるイメージ。
そのバランスを考えながら、現地の人に「なんだかよさそう」と感じてもらえる名前をつくる。それが商品名ローカライズの面白さです。
商品名だけでなく、ブランド名、サービス名、キャラクター名、ゲームタイトルなどにも同じことが言えます。
ミエトランスレーションサービスでは、日本語から中国語への翻訳はもちろん、台湾市場向けの商品名・ブランド名・サービス名などの中国語ネーミングも承っています。
「この日本語の商品名、台湾ではどうしたらいい?」
「音を残しながら、意味のある中国語名にしたい」
そんなときは、ぜひお気軽にご相談ください。
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