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形は同じでも、意味が違う?中国語翻訳を成功に導くために、「中国語の符号」を理解する

中国語と日本語は、同じ漢字でも違う意味を表す表現が少なくありません。例えば、「日本語の『老婆』は、中国語で『奥さん』という意味」というような話は、よく耳にします。
では、テンやマル、中黒などの使い方は、日本語と中国語では、どのように異なるでしょうか。中国語には、句読点だけでなく、疑問符や感嘆符、括弧やかぎ括弧など、日本語と似たような区切り符号がたくさんあります。しかし形が同じでも、意味が異なる符号も少なくありません。
ユーザーフレンドリーな説明書やマニュアルをつくるために、中国語翻訳で気を付けたい符号について、例を挙げてご紹介しましょう。

1.くぎり符号とは

くぎり符号は、文脈を明らかにして、文の読解を正しく、かつ容易にしようとするものです。
日本では句点(。)、読点(,)、横書きの場合のピリオド(.)、コンマ(,)などが挙げられますが、広義で、疑問符(?)や感嘆符(!)、括弧やかぎ括弧などが含まれる場合もあります。

2.くぎり符号の持つ意味

日本のくぎり符号のルールは、1946年に文部省が作成した『くぎり符号の使い方』によると、「マルは終止に打ち、テンは文の中止に打つ」とあります。一般的に、文の最後に「句点」のマルを打ち、文中の切れ目に「読点」のテンを打つと理解されています。
カンマに至っては諸説ありますが、1952年に内閣府によって示された「公用文書作成の要領」では、横書きの読点として用いるとされています。また、更に身近な例では、英語文のときに、2つの文をつなぐときにカンマが使われています。

3.同じ符号でも、言語によって意味が異なる?

文末のマル「句点」は、中国語も日本語も同じ形で同じ意味です。しかし、読点やカンマ、中黒、引用符などのように、形が同じでも、中国語では異なる役割を果たす符号があります。
ここでは、台湾で使われる中国語繁体字を例に挙げて、見ていきます。

符号の形 日本語の呼び方 中国語(台湾)繁体字の呼び方 中国語(台湾)繁体字での使い方日本語と異なる使われ方
テン「読点」 頓号 単語を並列で列挙したい場合に使う。
日本語で並列のために中黒が使われているものは、中国語繁体字で、この「頓号」に置き換えることが多い。
カンマ 逗号 文の切れ目、くぎりに打つ。
日本語で読点が使われているものは、中国語繁体字で、この「逗号」に置き換えることが多い。
ナカグロ「中黒」 音界号 中国語繁体字で、この「音界号」は、外国人の氏名の音訳を区切るために使われることが多い。

こちらの動画では、動画では、日本語と中国語繁体字の符号の違いについて具体的な例をいくつか紹介しています。


4.翻訳やローカライズで注意することは?

こうしたくぎり符号のほかにも、びっくりマーク(感嘆符)やクエスチョンマーク(疑問符)、さらには音符やハートマークなど、ネット社会では様々な符号が使われています。翻訳やローカライズでは、現地のユーザーがそれらの符号をどのような意味で使っているかを正しく理解し、翻訳文に入れていく必要があります。

ミエトランスレーションサービスでは、翻訳先言語(中国語簡体字、中国語繁体字)の使用地域に応じて、表現を使い分け、ユーザーフレンドリーな翻訳物に仕上げることができます。中国語翻訳、中国語ローカライズについて、どんなことでも、どうぞお気軽にご相談ください。