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中国語文の句読点、位置や形がバラバラ? 中央にあったり下方にあったりする理由は?

中国語翻訳が完成した文章を見ていて、「中国語繁体字と中国語簡体字は、同じ中国語なのに、句読点が中央にあったり下にあったりして、不揃いに見える」「一つの文の中に、読点とかカンマとか形の違う『点』がバラバラに入っている」と感じたことはありませんか。

この違和感、多くの方が一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。本記事では、中国語の句読点をわかりやすく解説し、皆様の「中国語句読点に関する疑問」をすっきり解消いたします。

目次

1. 繁体字と簡体字で、句読点の位置が違う?

日本語を中国語に翻訳し、台湾の中国語繁体字と中国の中国語簡体字を並べて確認すると、句読点の位置が異なることに気づきます。

台湾の中国語繁体字では句読点が文字のマスの中央付近に配置されているのに対し、中国語簡体字では左下寄りに表示されることが一般的です。

一見すると「ズレている」「誤植では?」と思ってしまいがちですが、入力ミスでも誤植でもありません。

2. 句読点の異なる位置。理由はフォントの違い

結論から言うと、台湾の中国語繁体字の句読点がマス中央に表示されるのは正しい仕様です。

中国語繁体字と中国語簡体字は、漢字だけでなく、使用されるフォントが異なります。そのため、同じ「、」「。」に見える記号であっても、表示位置が変わるのです。

特に台湾の中国語繁体字では、縦書き文化や伝統的な組版の影響を受け、句読点が文字の中心寄りに配置されるフォントが多く採用されています。違和感があるように見えても、それは「中国語として自然な姿」なのです。

3. 句読点の「形」が違うのは誤り?

もう一つよくある疑問が、「一文の中に『、』と『,』が混在しているのはおかしいのでは?」という点です。これも、誤植ではありません。

中国語には、日本語の読点に相当する記号として、逗號(ドウハオ)と頓號(ドゥンハオ)という2種類があり、それぞれ役割が異なります。正しく翻訳するためには、読点を使い分ける必要があります。

4. カンマみたいな「逗號」と読点みたいな「頓號」、それぞれの役割

カンマのような形の「逗號(ドォウハォ)」は、文と文、あるいは並列関係にある動作や述語をつなぐ際に使われます。
例: 彼は本を買って、ペンも買った。
  → 【中国語翻訳】他買了書,還買了筆。

一方、読点のような形の「頓號(ドゥンハオ)」は、名詞や要素を列挙する際に使われます。
例: りんご、バナナ、オレンジはいずれもフルーツです。
   → 【中国語翻訳】蘋果、香蕉、橘子都是水果。

このように、日本語では同じ読点「、」で表現している部分が、中国語では明確に区別されているのです。

なお、中国語フォントや句読点の違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。ブログ記事 フォントで簡単検査、中国語翻訳の誤植

5. まとめ:細部まで配慮できる中国語翻訳を

中国語翻訳では、台湾の繁体字と中国の簡体字という文字の違いに始まり、単語や文法の違い、さらにはフォントの違いや句読点の使い分けといった細かな表記ルールへの理解が欠かせません。ビジネスで通用する、違和感のない中国語翻訳にするためには、こうした言語の文化やルールに精通した、プロの翻訳者が仕上げる必要があります。

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