プレゼンテーション資料を中国語に翻訳をして、パワーポイントで開いてみると、なんだか中国語の漢字が不揃いでレイアウトが崩れてみえる。そんな経験はありませんか。
これは、一見中国語に見える文の中に、日本語が残っているために発生するトラブルです。
翻訳会社から納品された中国語翻訳文に間違いがないか、日本語が残っていないかを、お客様のほうで簡単に検査できる方法があります。難しい知識や特別なフォントのインストールなどは一切不要。マイクロソフトオフィスに入っているフォントで、中国語翻訳の漢字間違いを簡単に、視覚的に見つけることができます。フォント崩れやレイアウト後の文字化けなども防ぐことができるので、ぜひ試してみてください。
目次
1.日本語と中国語のフォントを知る-明朝体系
まず、標準的な書体のひとつ「明朝体」を見ていきます。漢字の書体のひとつで、横線に対して縦線が太く、「とめ」や「はらい」などの筆遣いが表現され、終筆部にウロコと呼ばれる三角形の山があります。日本では書籍や新聞、教科書などによく使われる書体です。
中国語で、同じ特徴を持つ、似たような書体には主に次のようなものがあります。
※中国語「我們」は「私たち」という意味です。
2.日本語と中国語のフォントを知る-ゴシック体系
次に、ゴシック体を見てみます。すべての太さが均一で、「ウロコ」と呼ばれる三角形がない書体です。視認性がよく、タイトルや見出しによく使われるフォントです。ゴシックには、太いゴシックや細いゴシック、あるいはカジュアルな印象を与える丸ゴシックなど、色々な種類があります。中国語の似たような書体と並べてみます。
3.句読点の位置も文字とフォントによって異なる
余談ですが、お客様からよくいただくご質問に「句読点の位置がおかしい」というものがあります。中国語の繁体字と簡体字では、句読点の位置が異なります。明朝体系のフォントで、繁体字と簡体字の文章を比較して並べてみます。
繁体字では、句読点はマスの中央に来ますが、簡体字は日本語と同じように、句読点はマスの左下に位置します。(※標準的な書体の場合です。フォントによって位置が異なる場合もあります)
4.中国語翻訳文(中国語繁体字)の中に残っている日本語をみつける方法
中国語繁体字は、日本語の漢字とよく似ていますが、前述の明朝系の書体とゴシック系の書体を利用することで、中国語翻訳文の中に残っている日本語を見つけることができます。厳密にいうと、「翻訳されていない(翻訳漏れ)」用語や文にあたるため、翻訳作業を担当した翻訳者や翻訳会社に修正を依頼したほうがよいでしょう。
例えば、次の日本語を中国語に翻訳します。
明朝体系の中国語フォント「新細明体」で表示すると、一見問題ないように見えますが、これをゴシック系のフォント「Zhengheiti(正黒体)」で表示すると、次のように日本語が残っているところが太字になります。
「温」という漢字は、中国語繁体字では「溫」となります。「温」は日本語がそのまま残っています。ゴシック系のフォントにすると、このように、日本語のままになっている漢字がわかります。(※注意:すべての日本語漢字を検出できるものではありません)
ミエトランスレーションサービスは、台湾に拠点を置く中国語専門の翻訳会社です。台湾、香港、中国の3つの地域で使われている、中国語繁体字と中国語簡体字に精通しています。
どの中国語に翻訳すればいいか、よくわからない。そんな時もどうぞお気軽にお問合せください。経験豊かな翻訳コーディネーターがお客様のビジネスに最適な翻訳プランをご案内いたします。
どうぞお気軽に当社までお問い合わせください。