─AI時代の「伝わる」メール中国語翻訳術
ChatGPTやGeminiなどのAIツールを使って、中国語のビジネスメールを作成する人が増えています。AIがあれば、中国語翻訳が得意でなくても短時間で自然な文章を生成できる時代になりました。
しかし、ビジネスシーンでは「速さ」だけでなく、「正確さ」「礼儀」「信頼感」が求められます。AIを使うほど、実は“人の工夫”が重要になると言えるでしょう。
今回は、AIでメールを中国語翻訳するときに押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。
目次
1. 成果を左右する「プロンプト(指示文)」の作り方
AIの出力は、入力する指示文=プロンプト次第で大きく変わります。まず大切なのは、「どんな目的で」「誰に」送るメールなのかを明確に伝えることです。
例えば、取引先に送るフォーマルな連絡メールを作成したい場合、次のように具体的な条件を入力します。
さらに重要なのが、相手が台湾企業か、中国本土の企業かを明確にすることです。
同じ中国語でも、台湾では繁体字、中国では簡体字が使われ、名詞や言い回し、ビジネス表現も異なります。例えば「貴社」は台湾では「貴公司」、中国では「貴司」が主に使われています。
そのため、プロンプトには「台湾向けの繁体字で」または「中国向けの簡体字で」と明示することも大切です。この指定を忘れると、繁体字と簡体字が混在した文章になったり、地域に合わない表現が使われたりすることもあるので、気を付けてください。
2. 文体の違いを比べてみよう:フォーマル vs カジュアル
同じ内容でも、トーンや文体を変えるだけで印象は大きく変わります。以下は、同じ「納期確認」をテーマにした2種類の例です。(以下は、台湾向けの中国語繁体字で作成したものです)
フォーマルな中国語翻訳の文体:
カジュアルな中国語翻訳の文体:
どちらも意味は同じですが、前者は「取引先や上司向け」、後者は「親しい担当者向け」の中国語翻訳です。
AIに「どの程度の丁寧さが必要か」を指定するだけで、トーンがここまで変化します。
フォーマル/カジュアルの違いを意識することが、印象を左右するポイントです。
3. 数字・単位・固有名詞は、必ず自分でチェック
AIは言葉を整えるのは得意ですが、数字や固有名詞の扱いには注意が必要です。日付、金額、数量などのデータは、生成された中国語翻訳文をそのまま信用せず、必ず自分自身で再確認するようにしてください。
例えば、「1000個」という注文数を、AIが自動的に「一百個」と中国語翻訳してしまったり、「1キログラム」の単位を「一公克」と間違えて中国語に翻訳してしまうことがあります。
固有名詞に至っては、「Mie Translation Services Co., Ltd.」が「Mie翻訳」と意訳されてしまうことも少なくありません。私たちは、校正作業の中でこうしたケースを日常的に目にしています。
数字の間違いはビジネスメールの致命傷。確認を怠ると、商談や契約の信頼を損なってしまいます。 AIを使う時は、「生成はAI、確認は人間」が原則です。
4.最後は人の手で整える:専門家の目を通す安心感
AIは超速でメールを中国語翻訳してくれますが、「適切なニュアンスか、文化的に違和感がないか」の判断は得意ではありません。
例えば、AIが中国語メールの文末結びに「敬禮」と入れた場合、中国語としては間違っていませんが、台湾ではあまり使われない表現なので、別の表現に修正します。
「添付ファイルをご査収ください」をAIが「詳附件」と書いた場合、意味はあっていますが、とてもカジュアルな印象を受けます。丁寧でフォーマルなビジネスメールにするには、「敬請查收附件檔案」と修正したほうがいいでしょう。
このように、最終的な修正や仕上げは、言語の専門家による確認がおすすめです。 AIで下書きを作成し、人が推敲・修正する「AI+人の校正編集」ハイブリッド型が理想的といえるでしょう。
ミエトランスレーションサービスでは、AI翻訳や生成文を専門スタッフが校閲し、 自然で伝わる中国語訳文に仕上げる「AI+PE」サービスもご提供いたしております。 AIを賢く使いながら、人の目で品質を守ることで、中国語翻訳文の作成における、スピードと信頼性を両立できます。
5.まとめ:AIは「アシスタント」、最終判断は人間
AIは頼れるツールですが、あくまで補助的な存在です。
適切なプロンプトで目的と相手を明確にし、数字を確認し、最後に人の手で仕上げる――この3ステップを守ることで、AIを使ったビジネスメールの中国語翻訳は、確実に成果を上げる武器になります。
AIの力と人の判断を掛け合わせて、正確で信頼される中国語コミュニケーションを当社がサポートいたします。どうぞお気軽にご相談ください。お問合せ先
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👉ゲームローカライズのAI翻訳「Mie Smart」について詳しくはこちらをご参照ください。
