Webサイトや会社案内を中国語に翻訳ローカライズするとき、意外に悩ましいのが「住所」です。
例えば、中国語の会社概要に日本本社の住所を入れようとしたとき、「〒」の記号や「カタカナのビル名」など、中国語にしにくい要素が少なくないことに気が付きます。
住所は媒体によっては「郵便物を届けるための情報」としてよりも、「読んで理解するための情報」のほうが重要な場合もあります。
このブログでは、住所を中国語に翻訳するときのテクニックを解説しています。
目次
1.「〒」を中国語「郵遞區號」にする理由
日本の住所でおなじみの「〒」マーク。台湾の中国語では、郵便番号は「郵遞區號」といいます。「〒」は日本独自の郵便記号なので、台湾では馴染みがなく、記号のまま使うと台湾読者には意味が伝わりにくい場合が多いです。
例えば会社案内を中国語で作るのは、「中国語の読者に、会社の情報を伝える」ことが目的であることがほとんどです。住所は「会社がどこにあるのか」を読者に理解してもらう必要があります。そのためこうした日本特有の記号は、意味を伝えるために、中国語に翻訳することが必要です。
もちろん「日本へ郵便物を送るための情報」である場合は、中国語にしてしまうと日本では読解できなくなるため、「〒」は中国語にはせずに、そのまま残すほうがよいと言えます。
つまり、住所を翻訳するときは、「何のために翻訳するのか」という用途を明確にした上で、それに沿って訳出しを工夫する必要があるのです。
2.「5階」は「5樓」か「5F」か
次に悩むのが「階」です。「階」は日本語で、台湾では建物の階数を「樓」で表します。そのため、中国語読者を想定した、中国語の会社案内では、「5階」は「5樓」としなければ意味が伝わりません。
ただし、ここでも前述と同じように「翻訳文の用途」を考える必要があります。
もし、日本へ郵便物を送るための情報であれば、「5階」という日本の正式な住所を「5樓」としてしまうと、日本の郵便局では意味がわからず配達不可になる可能性が出てきます。
一つの打開策として、英語の「F」を使う方法もあります。「5階」を「5F」とすれば、台湾の読者にも理解しやすく、配達用の住所としての実用性も損ないにくくなります。
3. カタカナのビル名は中国語にできるか
さらに難しいのが、カタカナが用いられているビル名です。
「ビル」は中国語で「大樓」といいます。繰り返しになりますが、中国語読者に理解してもらうためには中国語に翻訳するほうがよいのですが、問題は「○○ハイツ」「○○メゾン」のように カタカナを含むビル名の場合です。
翻訳ではリサーチ作業が必要で、まず当該施設の公式サイトを調べます。しかし、「グリーンハイツ」、「サニーハイツ」のような名前のアパートやマンションは、そのほとんどに公式サイトはありません。そんなとき、当社では次の手順で対応しています。
【手順1】グーグルマップを使って街中の写真を確認します。対象のビルを探し、その看板などに英語が書かれていないか確認します。英語を見つけた場合は、それを採用します。
【手順2】英語表記が見つからない場合は、意味を中国語に翻訳します。例えば、「グリーンハイツ」の場合、「綠景高苑」という中国語をあてます。
【手順3】適切な中国語があてられない場合は、カタカナをローマ字で表記します。例えば、「グランシエル目黒 」 なら「guransieru-meguro」というようにします。
4. 住所の翻訳は、まず用途を明確に
お伝えしてきたように、住所の翻訳は、目的や用途を明確にすることが大切です。
ウエブサイトや企業紹介のように、「中国語の読者に、情報を伝える」ことが目的であればできる限り中国語に翻訳していくのがよいでしょう。
当社にご依頼いただく「住所の中国語翻訳」も、そのほとんどがウエブサイトや会社案内などで、台湾で中国語読者に情報を伝えることを目的とするものです。そのため、当社ではお客様に十分に確認をした上で、すべて中国語に翻訳し、対訳集(用語集)を翻訳原稿とあわせてご納品するなどの工夫をしています。
住所のような小さな表記にも、翻訳ローカライズ専門のテクニックが隠れているのです。
ミエトランスレーションサービスでは、お客様のご要望、ビジネスの用途や目的に応じた翻訳サービスをご提供いたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。
