中国語翻訳の外注コストを抑えるには、コツや方法があります。今回は、「中国語翻訳したい原稿の中に、繰り返し出てくる文は、一回目だけ翻訳費用を払って、二回目からは費用がかからない方法」をご紹介いたします。
繰り返し出てくる文は、翻訳会社の見積書では、「リピート」や「リピテーション」と書かれている部分です。このリピートの翻訳費用は果たしてカットできるのでしょうか。
1.翻訳原稿の分析
翻訳会社は、一般的にmemoQやTradosなどの翻訳支援ツールで翻訳原稿を分析し、文字数(英語の場合はワード数)をカウントしながら、一度しか出てこない文と、繰り返し出てくる文に分類します。繰り返し出てくる文は、「リピート」として、割引料金が設定されています。
長期的に継続して中国語翻訳するプロジェクトの場合は、翻訳したデータを翻訳メモリ(TMと呼ばれます)として構築していきます。これがあると、次から中国語翻訳する文章は翻訳メモリと照合して、一致している部分が一定額割引される仕組みになっています(通常「マッチ率」と呼ばれます)。
しかし、新しく中国語翻訳しようという原稿で、翻訳メモリがない場合は、マッチ率はありません。マッチ率はまた別のコラムでご紹介いたします。ここでは、完全に新規の中国語翻訳における、繰り返し(リピート)を見ていきます。
2.繰り返し(リピート)とは
リピートは、「センテンス単位」または「セル単位」で「完全一致」する場合のみが該当します。例えば、次の文を例に挙げます。
この二文はよく似た構造をしていますが、100%一致しているわけではないため、リピートとしてカウントされません。このような定型表現は、ユーザーインターフェイ―スやゲームテキストに多く見られます。
これはゲームテキストですが、これも文中の数字が異なり、完全一致ではないため、リピートとしてカウントされません。原稿がエクセルのときは、セル単位で分析されるため、少し極端な例ではありますが、次のようにセルを分ければリピートとしてカウントされます。
ただ、原稿をすべてこのように書くことはあまり現実的ではない上に、このように一文を細かく分けてしまうと原文の元の意味が捉えられなくなり、正しく翻訳できなくなる可能性があります。
3.繰り返し(リピート)を翻訳原稿から削除する
中国語翻訳作業の対象外とするために、繰り返し部分を原稿から削除してしまう方法を見ていきます。例えば、次のようなゲームテキストの定型文では、赤字の名詞以外は同じ表現です。
前述のとおり、完全一致ではないため、リピートとしてカウントされません。そのため、中国語翻訳費用がかからないように、繰り返し部分を削除してみます。
こうすれば、繰り返しの文章は一度しか翻訳しなくて済みますが、二文目以降は、名詞だけ残して文を削除してしまっているため、一文目の中国語翻訳を使って、お客様自身でコピーして貼り付けながら編集する必要があります。効率が悪いだけでなく、編集ミスが発生する可能性も否めないため、この方法はお薦めいたしません。
文の構造が同じで、文中の名詞や数字だけが異なるテキストであれば、タグを利用して、原稿を作成していくという方法があります。
先の名詞部分を{0}というタグを使って、繰り返し使える共通のテキストにします。ただし、これは「新規翻訳の繰り返し(リピート)」という概念ではなく、翻訳メモリを構築していく方法です。
最初の翻訳作業でタグを使った共通のテキストを翻訳し、翻訳メモリを作ってから、二回目の翻訳を始めます。そうすると、{0}のタグ部分に名詞が入っている文章は、翻訳メモリと部分的に一致している「マッチ率80-90%」と分析され、翻訳料金の割引が適用されます。
(翻訳メモリについては、次回のコラムで、改めて詳しく解説いたします)
4.繰り返し(リピート)の翻訳費用が無料にならない理由
分析結果で100%一致するリピートや、翻訳メモリとのマッチ率100%だったとしても、翻訳会社の料金は通常無料になりません。その理由は、文の前後や分脈から、採用する対訳が適切かどうか、人の目で確認して編集する必要があるためです。
例えば、同じ「手に入れる」でも、どんな場面で、どのように、何を入手したのか、ということによって、中国語は異なります。原文が同じであっても、翻訳先の言語では、文脈によって異なる表現が採用されることは珍しくありません。
5.まとめ
中国語翻訳したい原稿の文字数は、Wordの文字カウント機能やExcelのLEN関数などで簡単に確認できますが、新規翻訳とリピートに分ける作業は、翻訳支援ツールを使う必要があります。
ミエトランスレーションサービスは、翻訳支援ツールmemoQを使って、精度の高いお見積をスピーディーにご用意いたします。また翻訳料金をできるだけ抑える方法についても検討し、ご提案いたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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